「天空の蜂」原発への問題提起というテーマだけに絞った方がいいのでは

3.0
心の筋トレ(映画)

あの「3・11」は何年経過しても強烈な印象を残しています。

ということで原発に関連した映画を探してみると邦画にありました。

「天空の蜂」東野圭吾原作(1995年発行)です。

1.テロリスト

天空の蜂を名乗るテロリストが巨大ヘリコプターを奪い、日本政府へ稼働中の原発の発電タービンをすべて破壊せよ、さもなくばヘリを高速増殖炉に墜落させる、という要求をしてくる。
燃料切れによる墜落まで8時間。
日本政府がテロリストの要求にどう対応するか?
そこにヘリコプターの開発責任者と原子力技術者が絡む。

原発の安全神話を唱えてきた政府は原発を止めたくない、よってテロリストの要求を呑んだかに見えたが実は巧妙にだましていた・・・というようなお話です。

以下ネタバレあります。

2.原発稼働停止

テロリストは原発の最前線で清掃活動を行っていた友人の死(白血病)をきっかけに、原発の稼働停止を画策する。

「人は無くてはならないものでも、見たくないものからは目を背ける」原発での清掃活動は無くてはならないものなのに、ほとんどの国民は無関心であり、清掃に従事する人間なんかは自分の世界とは無関係だと考えている。
というか意識すらしていないかもしれない。

しかし実はこのテロには黒幕がいて、それが実は本木雅弘演じる原子力技術者。

彼自身も息子が原発の風評被害によるいじめにより自殺した、という過去を持っており、当時、その事件に無関心を装っていた者たち、というより国民全員への(だと思いますが・・・)復讐ということを考えていたわけです。

国はテロリストの要求を飲み、原発を稼働停止すると発表するのだが、実はそれはシミュレータ室内の映像を流しただけで実際には稼働停止はしていなかった。

国は原発の稼働を継続する、安全神話を守るためには平気で国民をだますということを意味しているわけですね。

「『だまされていた』と言って平気でいられる国民なら おそらく今後も何度でもだまされるだろう。 いや、現在でも既に別の嘘によってだまされ始めているに違いないのである。」

原発へのテロの可能性も含め、清掃に従事する人間のこと、風評被害やいじめの問題も含め、国民は無関心であってはいけない、ということを伝えたかったのだろうと思います。

3.息子の救出劇

しかししかし、本作の前半1時間は、ヘリに一人取り残された開発者の息子の救出劇に費やされるのですが、これは本作のテーマからして必要だったのでしょうか?

また、テロリストに腹を刺された刑事が、それでもまだテロリストを追いかける、とか、手錠をはめられたテロリストが、手錠を外すために自ら指をナイフで切り落とす、とか、そしてついにはトラックに身を投げて自殺(に見えたが・・・)してしまう、とか、警察に逮捕された黒幕がすぐには連行されず最後まで顛末を眺めていられる、とか、ちょっと現実離れした感があったような・・・

原子力技術者とその会社総務の女性との関係とかも不要じゃないですか・・・と思う反面、当然、大事件なんだから出てくるはずの政府官邸は出てこない、というのも私にはピンとこなかったですね。

前半のアクション場面と色々散りばめられたエピソードのおかげで、原発の問題提起というテーマが少々ぼやけてしまったかな、という感がしましたよ。

惜しいですね・・・

4.天空の蜂 作品概要

作品概要

作品名:「天空の蜂」
2015年公開
監督 – 堤幸彦
原作 – 東野圭吾『天空の蜂』
湯原一彰:江口洋介
赤嶺淳子:仲間由紀恵
雑賀勲:綾野剛
芦田警察庁長官:竹中直人
筒井炉燃理事長:石橋蓮司
三島幸一:本木雅弘

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