「独立愚連隊」もっとブッ飛んでほしかった愚連隊

3.0
心の筋トレ(映画)

さて、またまた岡本喜八作品です。

「血と砂」(1965)「江分利満氏の優雅な生活」(1963)と立て続けに岡本喜八作品を観ましたが、とても良かったので本作も期待したのですが・・・

佐藤允はこの作品が出世作となったんですね。

和製リチャード・ウィドマーク(もしくはブロンソン)

始終、笑顔を絶やさない明るさ、ちょっとやそっとでは死にそうにない逞しさ、でも決して格好いいというわけでもない、見た目はかなりいかついし・・・、面白い俳優だなぁって思ってました。

1.戦線を引っ掻き回すわけじゃない?!

しかし私個人的にはですが、ストーリー自体にはあまりピンとはきませんでした。

「独立愚連隊」というタイトルからは、個性的なアクの強い面々で構成された小部隊が上官の命令もまともに聞かず、戦線を引っ掻き回す、けれどそれでも結構、戦果をあげる、というような内容かなと想像していたのですが・・・

太平洋戦争末期、北支戦線の将軍廟(しょうぐんびょう)という町で起きた、大久保という見習士官と慰安婦の心中事件の真相を探りに来たのが毎朝新聞記者の荒木(佐藤允)、彼、実は大久保元軍曹、死んだ見習士官の兄である。

ただこの見習士官の死の真相にたどり着くまでの話が少々、冗長ではないかな・・・という印象を私は持ってしまいましたね。

そこで私は、個々の俳優に注目して観るようにしていましたよ。

2.三船敏郎

例えば、この隊の大隊長は児玉大尉(三船敏郎)、彼はその事件の真相に気づいていたがために、隊の誰かに高所から突き落とされ、そのショックで頭がおかしくなってしまっていた、という経緯が明らかになります。

この頭がおかしくなってしまった大隊長を演じた三船敏郎がいいですね。

本当に目がいっちゃってるように見えます。
そして滑稽でいて悲哀も感じさせます。

最前線に送られている寄せ集め部隊の独立第90小哨(独立愚連隊)を率いるのが石井軍曹(中谷一郎)。

彼、後年テレビではよく見る顔でしたが、こんなに渋く、いい役者だったんですね。
再認識しました。

そして佐藤允を追っかけてくる元看護婦の慰安婦トミを演じるのは雪村いづみ?!

あの清純そうなイメージの雪村いづみさんが、こういう役を演じるんだとちょっと不思議な気もしましたよ。

3.何と言っても上原美佐

それより何より光っていたのが馬賊の妹を演じた上原美佐じゃないでしょうか!

まず目力があって魅かれます。
そしてとても凛々しいんです。

背筋がすっと伸びて乗馬姿も美しいんですね!

強烈な印象を残してくれた女優さんです。

それから変な中国語を喋る馬賊の鶴田浩二。

馬賊役はどうなんでしょうか?!

あの鶴田浩二にはちょっと合わないんじゃないのかな、と。

苦笑してしまいましたよ・・・

全体を通して印象に残ったことは、戦争を知らない私からすると、馬鹿馬鹿しいほど軍旗に権威があること、ですね。

言ってしまえば、たかが旗。

それを皆で寄ってたかって大層に有難がっているわけです。

本作は軍の、もしくは軍人のそういう体質を皮肉っているんでしょうね。

底に流れるテーマは反戦なんでしょうけど、でも、物語にさほど引き込まれていくわけでもないので、若干、中途半端な印象が残ってしまいました。

そもそも心中事件の真相を追うというメインのストーリーがマッチしていないのでは?という風に思えました。

「血と砂」はそういった意味でもシンプルに戦争の愚かさを追求していていい作品でした。

愚連隊とはいうけれど、その言葉の持つイメージ、例えば、「荒々しさとかアウトロー」とか、とは程遠い気がしましたよ。

もっと「ブッ飛んで」いてほしかった、ですね。

4.独立愚連隊 作品概要

作品名:「独立愚連隊」

1959年公開

監督:岡本喜八

荒木(従軍記者):佐藤允
トミ(慰安婦):雪村いづみ
ヤン小紅(馬賊の妹):上原美佐
石井(軍曹、独立90小哨哨長):中谷一郎

読んで頂き、ありがとうございました。

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